(かなり適当に書いています。あまりアテにしないでください)
ゴブリンが一大勢力を築いた時代は、ひとまず収束しました。
代わって、《Tarmogoyf》により墓地対策への耐性を大幅に高めたスレッショルドが台頭し、レガシー選手権07ではトップ8の半数がスレッショルド、内3名が青緑赤タイプを使用していました。
もともとスレッショルドはゴブリンに対して有利とは言い難いデッキですが、上位に入賞したスレッショルドの3/4はメインに《Lightning Bolt》と《Fire/Ice》を、サイドに《Pyroclasm》を仕込んだことで有利に戦うことができたようです。
(ただ一人の青緑タイプは、サイドに《Hail Storm》を用意していました)
個人的に、ゴブリンとスレッショルドは少し似ていると思います。
なによりの強さがその「安定性」にある、という点がそっくりです。《AEther Vial》と《Goblin Lackey》の1マナ加速装置8枚を擁し、サーチやコスト軽減や速攻付与による加速や除去や最後のダメ押しetcをすべて部族シナジーのもとで実現してしまうゴブリンの「相手が動く前に殴り倒す安定性」は、現存する他のデッキにはとても真似できないレベルで完成されています。
対するスレッショルドの安定性は、ゴブリンとは別方向からのアプローチに拠ります。軽量ドローで手札を整えつつ墓地を肥やし、スレッショルドを持つ軽量強力クリーチャーを召喚し、打ち消しで守りながら殴り切る流れは、自身の動きとしての安定性もさることながら、ゴブリンと比較して「相手のデッキに依存しづらい」という特徴があります。
相手がコンボデッキならキーカードを、相手がコントロールなら除去を、といった具合に、自分にとって脅威となるものだけを打ち消しつつ、超強力クリーチャー《Nimble Mongoose》と《Tarmogoyf》でビートダウンすればいいのですから、非常に簡単かつ強力です。
では、打ち消しでは対処できない、大量のクリーチャーで押してくるデッキ…例えばそう、ゴブリンにはどうすればいいのかと言われれば、それへの回答が赤を入れることによる火力であるわけです。
タッチ白やタッチ黒ではなくタッチ赤が好成績を収めたのは、スレッショルドが苦手とするデッキに対してもっともわかりやすい対抗手段を用意できたからに他なりません。「対戦相手を選ばない安定性」こそがスレッショルドの最大の強みです。
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世界選手権の時点で、メタゲームがどこまで進むかは非常に難しいです。
トップメタの座を譲り渡したとはいえ、ゴブリンの強さは半端ではありません。メインから《Engineered Plague》を積んだピキュラ黒や、対ゴブリンデッキとして登場したサイクリングバーンが環境に存在して尚、ゴブリンはレガシーのメタの最前線をここまで走ってきました。スレッショルドに注意を向けすぎたデッキがあっけなくゴブリンの餌食になることは想像に難くありません。白や緑をタッチして柔軟性を上げるタイプも存在し、まだその強さを見せ付け続けるでしょう。
スレッショルドのミラーマッチでは《Smother》や《Ghastly Demise》を擁する青緑黒タイプがやや有利な印象ですが、これらは青緑赤タイプが得た最大の武器である「対戦相手を選ばない安定性」を手放しています。カードプールが広いことでレガシーのメタはスタンダード以上に混沌としていますし、よほどスレッショルドが蔓延らない限りは青緑黒タイプが成績を残すのは難しいでしょう。スレッショルド内の分布は、依然として青緑赤タイプが主流になると思われます。
最近よく見かけるデッキとして、セファリッド・ブレックファストがあります。《Cephalid Illusionist》を利用してライブラリーを一気に墓地に叩き込みつつ《Narcomoeba》を場に出し、《Cabal Therapy》のフラッシュバックで安全を確認し《Dread Return》のフラッシュバックで《Sutured Ghoul》を釣り上げるデッキです。
墓地対策には弱いものの、ほぼ確実に《Cabal Therapy》で安全確認ができるためその他の妨害手段に対しては非常に強く、コンボデッキでありながらやはり「対戦相手を選ばない安定性」を持っています。今年5月のP/Tに関する特性定義能力のルール変更により、単体でも十分強力な《Tarmogoyf》とこのコンボの親和性が非常に高く、加速兼カウンター対策の《AEther Vial》と一緒に採用するタイプが主流のようです。
個人的には、このみっつのデッキに番外としてベルチャーを加える、程度でレガシーのトップメタは構成されてると思っています。予想では、好成績を収めるのはスレッショルドか大メタ外のローグデッキか、といったところでしょうか。
ベルチャーは赤緑タイプの登場により飛躍的に安定性が増しましたが、ゴブリンには速度勝負で強いもののやはり妨害に弱いことに変わりはなく、トップメタとしてカウントするにはちょっと役不足な感じです。
対戦数の少ない草の根大会では、対策を怠ったデッキを一蹴し勝ち組になるだけの力があります。が、世界選手権のような長丁場でベルチャーを使ってくるプレイヤーがいるとしたら、ギリギリの成績にいる《Wandaring Ones》の大博打ぐらいではないかと。
サイクリングバーンあたりも対ゴブリン、対スレショとしてそれなりに強力ですが、コンボへの耐性が極端に低くあまり台頭するとは思えません。
ピキュラ黒はコンボやコントロールへの耐性が高いですが、クロック・コントロールの常で大量のクリーチャーによるゴリ押しに弱いです。初めて登場した2005年のグランプリフィラデルフィアでも、結局メインから《Engineered Plague》を投入しながら決勝でゴブリンに負けてるんですよね(なんかカバレッジ見てると仕方ない展開だった気もするけど)。
古のポンザと比較すればかなり緩和されているものの、土地破壊の「勝てる時はどんな相手にでも勝てる、負けるときはどんな相手にでも負ける」特徴がまだ残っています。最近はハンデスに特化したタイプもあるようですが、相性が変わるだけでデッキとしてのこの傾向はあまり変わらないでしょう。
後は《Dark Confidant》と《Tarmogoyf》をタッチしたスライがかなり強力な印象がありますが、これもトップメタが擁している「対戦相手を選ばない安定性」で一歩劣る感があります(比較的安定はしているほうですが)。一方のひたすら殴り切る面での安定性ではゴブリンに一歩劣る感じで、「強力だが2番手、3番手」的な印象が否めません。
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メタを読む練習として書いてみました。
的を射ているとは思ってません。世界選手権の結果を見て笑い話にするのもいいかなという感じで。トップメタの予想は適当で、それより相性を読む練習がメイン。
ゴブリンが一大勢力を築いた時代は、ひとまず収束しました。
代わって、《Tarmogoyf》により墓地対策への耐性を大幅に高めたスレッショルドが台頭し、レガシー選手権07ではトップ8の半数がスレッショルド、内3名が青緑赤タイプを使用していました。
もともとスレッショルドはゴブリンに対して有利とは言い難いデッキですが、上位に入賞したスレッショルドの3/4はメインに《Lightning Bolt》と《Fire/Ice》を、サイドに《Pyroclasm》を仕込んだことで有利に戦うことができたようです。
(ただ一人の青緑タイプは、サイドに《Hail Storm》を用意していました)
個人的に、ゴブリンとスレッショルドは少し似ていると思います。
なによりの強さがその「安定性」にある、という点がそっくりです。《AEther Vial》と《Goblin Lackey》の1マナ加速装置8枚を擁し、サーチやコスト軽減や速攻付与による加速や除去や最後のダメ押しetcをすべて部族シナジーのもとで実現してしまうゴブリンの「相手が動く前に殴り倒す安定性」は、現存する他のデッキにはとても真似できないレベルで完成されています。
対するスレッショルドの安定性は、ゴブリンとは別方向からのアプローチに拠ります。軽量ドローで手札を整えつつ墓地を肥やし、スレッショルドを持つ軽量強力クリーチャーを召喚し、打ち消しで守りながら殴り切る流れは、自身の動きとしての安定性もさることながら、ゴブリンと比較して「相手のデッキに依存しづらい」という特徴があります。
相手がコンボデッキならキーカードを、相手がコントロールなら除去を、といった具合に、自分にとって脅威となるものだけを打ち消しつつ、超強力クリーチャー《Nimble Mongoose》と《Tarmogoyf》でビートダウンすればいいのですから、非常に簡単かつ強力です。
では、打ち消しでは対処できない、大量のクリーチャーで押してくるデッキ…例えばそう、ゴブリンにはどうすればいいのかと言われれば、それへの回答が赤を入れることによる火力であるわけです。
タッチ白やタッチ黒ではなくタッチ赤が好成績を収めたのは、スレッショルドが苦手とするデッキに対してもっともわかりやすい対抗手段を用意できたからに他なりません。「対戦相手を選ばない安定性」こそがスレッショルドの最大の強みです。
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世界選手権の時点で、メタゲームがどこまで進むかは非常に難しいです。
トップメタの座を譲り渡したとはいえ、ゴブリンの強さは半端ではありません。メインから《Engineered Plague》を積んだピキュラ黒や、対ゴブリンデッキとして登場したサイクリングバーンが環境に存在して尚、ゴブリンはレガシーのメタの最前線をここまで走ってきました。スレッショルドに注意を向けすぎたデッキがあっけなくゴブリンの餌食になることは想像に難くありません。白や緑をタッチして柔軟性を上げるタイプも存在し、まだその強さを見せ付け続けるでしょう。
スレッショルドのミラーマッチでは《Smother》や《Ghastly Demise》を擁する青緑黒タイプがやや有利な印象ですが、これらは青緑赤タイプが得た最大の武器である「対戦相手を選ばない安定性」を手放しています。カードプールが広いことでレガシーのメタはスタンダード以上に混沌としていますし、よほどスレッショルドが蔓延らない限りは青緑黒タイプが成績を残すのは難しいでしょう。スレッショルド内の分布は、依然として青緑赤タイプが主流になると思われます。
最近よく見かけるデッキとして、セファリッド・ブレックファストがあります。《Cephalid Illusionist》を利用してライブラリーを一気に墓地に叩き込みつつ《Narcomoeba》を場に出し、《Cabal Therapy》のフラッシュバックで安全を確認し《Dread Return》のフラッシュバックで《Sutured Ghoul》を釣り上げるデッキです。
墓地対策には弱いものの、ほぼ確実に《Cabal Therapy》で安全確認ができるためその他の妨害手段に対しては非常に強く、コンボデッキでありながらやはり「対戦相手を選ばない安定性」を持っています。今年5月のP/Tに関する特性定義能力のルール変更により、単体でも十分強力な《Tarmogoyf》とこのコンボの親和性が非常に高く、加速兼カウンター対策の《AEther Vial》と一緒に採用するタイプが主流のようです。
個人的には、このみっつのデッキに番外としてベルチャーを加える、程度でレガシーのトップメタは構成されてると思っています。予想では、好成績を収めるのはスレッショルドか大メタ外のローグデッキか、といったところでしょうか。
ベルチャーは赤緑タイプの登場により飛躍的に安定性が増しましたが、ゴブリンには速度勝負で強いもののやはり妨害に弱いことに変わりはなく、トップメタとしてカウントするにはちょっと役不足な感じです。
対戦数の少ない草の根大会では、対策を怠ったデッキを一蹴し勝ち組になるだけの力があります。が、世界選手権のような長丁場でベルチャーを使ってくるプレイヤーがいるとしたら、ギリギリの成績にいる《Wandaring Ones》の大博打ぐらいではないかと。
サイクリングバーンあたりも対ゴブリン、対スレショとしてそれなりに強力ですが、コンボへの耐性が極端に低くあまり台頭するとは思えません。
ピキュラ黒はコンボやコントロールへの耐性が高いですが、クロック・コントロールの常で大量のクリーチャーによるゴリ押しに弱いです。初めて登場した2005年のグランプリフィラデルフィアでも、結局メインから《Engineered Plague》を投入しながら決勝でゴブリンに負けてるんですよね(なんかカバレッジ見てると仕方ない展開だった気もするけど)。
古のポンザと比較すればかなり緩和されているものの、土地破壊の「勝てる時はどんな相手にでも勝てる、負けるときはどんな相手にでも負ける」特徴がまだ残っています。最近はハンデスに特化したタイプもあるようですが、相性が変わるだけでデッキとしてのこの傾向はあまり変わらないでしょう。
後は《Dark Confidant》と《Tarmogoyf》をタッチしたスライがかなり強力な印象がありますが、これもトップメタが擁している「対戦相手を選ばない安定性」で一歩劣る感があります(比較的安定はしているほうですが)。一方のひたすら殴り切る面での安定性ではゴブリンに一歩劣る感じで、「強力だが2番手、3番手」的な印象が否めません。
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メタを読む練習として書いてみました。
的を射ているとは思ってません。世界選手権の結果を見て笑い話にするのもいいかなという感じで。トップメタの予想は適当で、それより相性を読む練習がメイン。
コメント
ありがとうですです